ネットショップと顧客

リアルビジネスと違い、ネットショップは顧客と顔を合わせないで運営していくケースがほとんどです。
Webサイトの品質だけでなく、ショップの対応が悪いとリピーターの獲得は望むことができません。どんな商売にも言えることですが、売上を安定させるのはリピーターや得意先となります。
ネットショップ開店当初は新規の顧客がほとんどですが、ネットショップを長期に渡って運営していくには、顧客との関係を把握し、大切にしておかなければなりません。

リピーターに重点を置いた顧客分析方法

図 リピーター顧客を獲得し維持し続ける事は、ネットショップの売上と利益を安定させる大きな要素となります。顧客とネットショップとの関係がどのような状態にあるのかを把握しておく事は、戦略的なマーケティングに欠かせない要素となります。

顧客との関係の状態を分析する"3R"

顧客情報の分析方法は多々ありますが、顧客との関係の状態を把握する方法として「3R」という考え方があります。
3Rとは、リレーションシップ、リテンション、リファラルの頭文字をとったものです。

  • Relationshipリレーションシップ

    関係、関連、結びつき、
    かかわり合い

    顧客との関係強化

  • Retentionリテンション

    保有、保存、保持
    かかわり合い

    顧客の維持

  • Referralリファラル

    委託、付託、紹介、推薦

    顧客による口コミ

顧客と関係の状態

顧客と関係の状態

顧客と関係の状態

上に行くにつれて顧客との関係が深くなり、ネットショップへ安定した利益を生み出す顧客となっていきます。
様々な段階の顧客に対し、それぞれ異なるアプローチを行うことで顧客との関係を深め、クライアント(お得意様)やアドボケーター(口コミ客)を増やすことが可能となります。

顧客との関係状態別のアプローチ方法

Relationship (リレーションシップ)
サスペクト(不透明客)からプロスペクト(見込み客)へ
不透明客に対して広告やアンケート、プレゼントによるイベントを活用し、ネットショップに興味を持ってもらいます。
プロスペクトからファーストバイヤー(初回購入客)へ
商品に興味はあっても購入していない見込み客に対して、期間限定の割引キャンペーンや売れ筋商品、注目商品などの宣伝を利用し、購入意欲をかきたてます。
Retention リテンション
ファーストバイヤーからリピートバイヤー(継続購入客)へ
はじめてネットショップを利用した初回購入客に対して、信頼感と安心感の高いイメージをあたえる為に、商品を受け渡すまでの業務をスムーズに行い、問い合わせの対応を迅速に行い、アフターサポートの充実を図ります。また、定期的にメールマガジンやDMなどを利用して、新商品の追加情報や、商品の良さがより伝わるような情報を提供して、常にネットショップの存在を意識してもらいます。
リピートバイヤーからクライアント(お得意様)
継続購入客に対して、何度もネットショップを利用したくなるような会員制度の導入や、お得意様向けの特別割引商品などを設けるなど、他の顧客との差別化、優遇が必要となります。
Referral リファラル
クライアントからアドボケーター(口コミ客)へ
試供品サンプルの配布や、採算度外視のイベントを行うなどの方法により口コミ客を獲得する事はできますが、ここで言う口コミ客とは、ネットショップを信頼し、知人などに自然と話題にしてくれる顧客を指しています。リレーションシップにより顧客との関係の強化し、リテンションによる良好な関係の維持を意識して行った結果、顧客を満足させるサービスを提供できていれば、顧客は自然と口コミ客になってくれるはずです。口コミ客が話した相手が不透明客でも初回購入客でも、顧客の状態を問わずネットショップに対する信頼が上がり、そこからまた新たな口コミ客が増え、無限に連鎖する可能性を持っています。こうした口コミ客の増加はネットショップの売上と利益の安定に必要です。